最愛のペットを亡くした時に救いになったもの
2004年4月9日…最愛の王子様は虹の橋に旅立ちました。
数ヶ月闘病の後に、彼はお空に行ってしまいました。
最後は苦しそうにクルクル這って、クークー鳴いて、一度「ク!」と声をあげて、真っ黒なお目目を見開いたまま、お空に旅立ちました。
その間
ただただ
「もういい、もういいから、頑張ったからもういいから!」
と苦しむ王子様を抱き締めながら叫んでいました。
生きていて欲しい、でもこんな苦しそうな姿はもう見たくない!
その狭間で、どうしたいのかわからずに…
「もういい、もういいから、頑張ったからもういいから!」
それだけを言い続けてました。
とてもとても大事な子でした。初めて一人で暮らして、初めて自分でお世話をした子でした。何もかもが初めてで、あれこれと楽しみながら暮らしてきました。
2歳9ヶ月で副腎の手術をして(フェレットには多いです)、それから持ち直して、自慢のフサフサの金色の毛並みで元気に飛び回っていたあの姿…
年を取ってのんびりと日向ぼっこをしながらまどろむ姿…
獣医さんも驚く偏食の頑固もので、獣医さんも驚く寂しがりやで甘えん坊だった…
でも…
すごくいい子でキレイな子でした…。
いつか来るだろうと思っていたこのお別れの時…
「自分はきっと大丈夫、そこまで哀しみなんて無い」
そう…
ずっとそうだと思ってました・・・
でも…
無理でした・・・。
失った悲しみは・・・。
今まで経験したことのない…。
それはそれは大きな衝撃でした…。
彼が居たケージも、寝ていたベッドも、闘病の時に添い寝していた布団も…。
何もかもが・・・
空っぽになりました・・・。
自分の心の中から、一番大きなものが
無くなってしまった・・・。
亡骸を抱き締めたまま…
呆然と数時間
泣き続けていました。
どうして…なんで・・・。
それだけが繰り返し頭の中を巡っていました。
そして
私はこの子に…なにをしてやれたんだ…。
幸せにしてあげれてたのか…。
頭の中は真っ白でした…。
真っ白になっていたのに…。
感情もなにかもが限界を超えてしまっていたのに…。
同居人が慌てて帰ってきて王子様を抱き締めてないてる時には…
「お空に…戻さないと・・・」
そう考えていました。
ずっと抱き締めて居たかった。
でもお空に帰さなければ…
「この窮屈な体から離してあげないと・・・」
なぜかずっとそう思ってました。
この子がこの体にいる必要は無くなった。
病気で動けないこの体でなくてもよくなった。
空に、戻れる…そう思ってました。
意味などはわかりませんでした。
ただ…
自由に、なれたよね・・・
なった…よね・・・
そういう気持ちになってました。
取り乱す同居人を尻目に…火葬場を探し、手続きをし…。
ふと…
「ここ?行きたいの?」
火葬場をネットで探してる時、偶然開いた行き着けのペンションのページ
そこを見たとき
「そう?行きたいんだ。」
王子様がそう言った気がしました。
声、でなく想いが聞こえた気がしました。
彼は旅が好きでした…このペンションも好きでした。大きな猫が居るペンションで、その猫を興味深げに見ている姿はとてもかわいい姿でした…。
姿が無くても、こうしてネットのページを見てる時には、いつもの様に膝の上に乗って一緒に見てるような感じでした。
彼はとてもいい子でした。
人想いの子でした。
だからきっと
自由になったから泣かないで。
いけなかった大好きなところにまたいこう!
そういってくれた気がします。
ココもココもとイメージは頭に浮かびました。
ただ単に、私が昔を思い出したからかもしれませんが、彼がそこにいる姿が鮮明に見えました・・・。
だから…。
「そうね、行こうか。」
突然の連絡でもペンションは空きがありました。
そしてなにより・・・
ペンションのオーナーに教えてもらった大きな大きな夜空に浮かんだ大きな木…
熊本、阿蘇にある一心行の大桜
広大な阿蘇の地に、この大桜を見たとき…
号泣しました。
どこまで、この子はいい子だったんだろう…
お骨を抱き締めたまま泣いてました。
「ありがとう…。」
ただただそう思ってました。
夜空に浮かぶ巨大な桜の木は、なにも言わずにただじっと立ってました。
それをただお骨をもってじっと眺めていました。
王子様がお星様になたったこの時に
こんなにも満開の桜がココにある…。
偶然ここに来て、偶然一番の満開の時を見ることが出来た…。
桜は、王子様が空に旅立った時に、満開を迎える。
毎年、桜を見るたびに、彼を思い出すことが出来る…。
この時初めて、桜が好きになりました。
ずっと夜桜が怖くてなかなか好きにはなれませんでした…。
でも
毎年咲くこの可憐で豪華な薄紅色の花は王子様そのもの
僕はそこに居る、思い出してくれればそれでいい。
そういわれた気がしました。
私はこの桜に随分と救われました。
その後何度も、哀しさのあまりに暗く打沈んでいても、この桜を見るたびに
「いないわけじゃないもんね・・・。」
そう思ってどうにか生きていくことが出来てました。
この桜はその年の夏に台風で3分の1が折れてしまいました。
翌年、またその姿を観に行ったとき、ここまでひどいのか…と思いました。
でもそこには…
大丈夫、また戻るよ
また、逢える。
といいたげに、新芽がしっかり顔を出していました。
その姿を見た時
「そうね、もどるし、またいつか逢えるよね。」
一年経ってもそれは哀しいものは哀しかった。
でも、哀しい中でも彼は色々教えてくれてたと思います。
この頃に見つけたもの、であったものは、今になっては、偶然にしても…と想うことが沢山あります。沢山沢山、姿がなくなっても王子様は私に教えてくれてるし、私はそれを教えてもらって生きている…そのきっかけは彼の死でしたが…それは別れじゃなくて、見えないだけでずっと傍に居て悲しむ自分に「悲しむな」とあれこれ世話を焼いてくれてる、そんな実感が今はあります。
その一番初めに見せてくれたもの…
それがこの一心行の大桜
疲れたらここに行きます。
花が無くてもそこには木がある。
この木を眺める時は一緒に目を細めて見れてる気持ちがするんです。
福岡はるな
(2007/03/01)
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